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都議選2017

きょう告示 向き合う知事と議会

道路を挟んで向かい合って立つ、都庁第一本庁舎(右)と都議会議事堂

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 全国最大の地方議員選挙・東京都議選は23日に告示され、7月2日の投開票まで9日間の選挙戦が幕を開ける。都知事の相次ぐ辞職ややじ問題など、全国から注目されたこの4年間を振り返りつつ、都議の役割や選挙の焦点をおさらいする。

◆2つの「窓」

 新宿で異彩を放つ地上四十八階の都庁第一本庁舎に対し、向かい合って立つのが地上七階の都議会議事堂。その二つの建物外壁には同じ高さに円形の窓があり、知事と議会はともに民意を映す「対等な関係」を表しているという。

 都議会の定数は一二七。東京の人口は千三百七十万人だから、都議は一人当たりおよそ十万八千人もの民意を背負っている計算になる。二番目に多いのが神奈川県議会の百五人。

 都議会は、都の予算や条例、副知事などの人事といった議案をチェックし、可否を決めるのが最大の仕事だ。知事は議会の決定に基づいて、事業を執行する役割を担う。逆に、都議会に理解を得られず「待った」がかかれば、知事の前に立ちはだかる壁になる。

 例えば、告示まで残り三日に迫った二十日。小池知事は緊急記者会見で市場移転を巡る築地、豊洲の両立案を打ち出し、自信をのぞかせた。「最終的に決定する権限を持つのは都議会。だが、築地を再開発し、新たな東京の一大拠点をつくるという希望があれば、必ず実現できる」

◆64巡る攻防

 議会のチェック機能の観点から、知事も議員も選挙で直接選ばれる「二元代表制」が都議選のキーワードに急浮上。小池知事が自ら代表を務める地域政党と支持勢力を合わせ、都議会で過半数の議席獲得を目標に掲げたためだ。

 知事勢力が過半数の64議席を占めると、どうなるのか。つまり都議会の主導権を握れるようになり、小池知事にとってはスピーディーに、かつ安定的に都政を運営していく推進力になる。

 しかし一方で、議案を提出する知事と、その議案をチェックする地域政党の代表が同一人物になることへの懸念も。対立陣営は「知事への事実上の白紙委任になってしまう」と批判し、過半数を巡る攻防が激しさを増している。

◆2020その先へ

 今回の都議選で改選される現職にとって、2013年7月からの任期中に猪瀬直樹氏、舛添要一氏、小池氏という3人の知事と向き合う激動の4年間だった。14年6月に本会議で起きた女性蔑視やじ問題では、「男目線」がはびこる都議会の旧弊も浮き彫りにした。

 都議の新たな任期は来月23日に始まり、東京五輪・パラリンピックを経て21年7月に満了。新たな市場移転案のチェックとともに、自らの議会改革、待機児童や高齢者対策などの課題解決にどう取り組むのか。小池都政の是非とともに、これまでの都議会の是非も問われる選挙になる。

 インターネットを使った本紙の無料動画配信「東京新聞都議選チャンネル」では、長く都政を取材している石川修巳記者が注目の激戦区などを解説しています。(「東京新聞都議選チャンネル」で検索)

 文・石川修巳/写真・中西祥子

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