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都議選2017

「併存」揺れる築地 「知事案、選挙向け」「食の城下町守る」

 九日間の舌戦がスタートした東京都議選。焦点の一つが築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題だ。築地の地元・中央区は、定数一の狭き門。小池百合子知事が示した「豊洲移転、築地再開発」の二市場併存方針を巡り、五人の候補者が主張を訴えた。 (北爪三記、土門哲雄、皆川剛)

 「(豊洲と築地)どっちも使うなんて選挙用に言ってるだけ」。無所属新人の森山高至さん(51)は築地市場そばで小池知事を批判した。建築士で、都の市場問題プロジェクトチームの元委員。「築地を中心とする食の城下町を失ってはダメ」と豊洲移転に反対した。

 自民を離党した無所属現職の立石晴康さん(75)は、築地市場近くで「知事の発表はがっかりした。五年後に築地に帰ってくるなんて、うまい話はない。そのころは世の中が大きく変わっている」と指摘。「現在地で再整備するのが一番いい」と強調した。

 知事が率いる都民ファースト新人の西郷歩美さん(32)は勝どき駅前で第一声を上げたが、市場問題には直接は触れなかった。移転を前提とした交通利便性の向上を訴え、「環状2号の早期整備とBRT(バス高速輸送システム)開通に最優先で取り組む」と述べた。

 諸派新人の斎藤一恵さん(48)は築地市場前で「築地のブランドを守る」とアピールした。小池知事の政治塾の元塾生。取材に「議論の末に豊洲移転を決めたことに反対はしない。豊洲市場は『築地市場』の名前にしてブランドを維持すべきだ」と話した。

 「小池知事就任以来、移転問題は政治利用されている。(方針を発表した)会見は理解しがたい内容だった」。自民新人の石島秀起さん(57)は、築地本願寺そばでこう批判した。「具体的な内容や財源を示すこともなく、ただ結論を先送りした選挙向けの折衷案だ」

 地元有権者の反応はさまざまだ。築地で演説を聞いた宮野素子(しろこ)さん(82)は五年前まで、経営した和食店の仕入れで築地市場に通った。「市場はやっぱり築地にあってほしい。豊洲に移ったら、もう築地に戻れないのでは」と不安げ。

 勝どきで演説に足を止めた育休中の女性(37)は、五カ月の長女を抱いて「市場機能を二重にしたら税金がもったいない。その予算を保育や教育に回してほしい」と注文した。

◆中央区(一…5) 

森山高至 51 建築エコノミスト 無新 共

立石晴康 75 NPO法人理事長 無現<8>  

西郷歩美 32 (元)中央区議   都新 公   

斎藤一恵 48 コンサル会社社長 諸新   

石島秀起 57 (元)中央区議長  自新 日   

 

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