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都議選2017

唯一の選挙サンデー 各党幹部が舌戦

 東京都議選告示後、初の日曜日となった二十五日、各党幹部は支持拡大に向け都内各地を遊説した。築地市場の豊洲市場への移転問題を巡り、自民党と小池百合子都知事率いる地域政党「都民ファーストの会」が舌戦を展開。民進、共産両党は、学校法人「加計(かけ)学園」や「森友学園」の問題を取り上げ、政権批判票の取り込みを図った。

 自民党の下村博文幹事長代行は国立市で街頭演説した。小池氏が築地、豊洲両市場の活用を打ち出したことについて「税金の無駄遣いを拡散しかねない」と厳しく批判し、財源など詳細な説明を要求。「劇場型の選挙はやめて、政策論争で(競うべきだ)」と訴えた。

 菅義偉官房長官は町田市で街頭に立ち、自民党が公約した早期の豊洲移転について「有識者の会合で科学的に安全だという結論が出た。このまま進めていくべきではないか」と力説した。学校法人をめぐる問題の渦中にある安倍晋三首相は終日私邸で過ごし、応援には入らなかった。

 これに対し、小池氏は品川区で演説し、市場移転問題について「最初は(整備費などが)四千億円と言ったが六千億円まで膨らんだ」と述べ、自民主導の都議会のチェック態勢を疑問視。河村たかし名古屋市長も応援に駆け付け、小池氏は「名古屋、大阪といった大都市は、さまざまな改革が試行錯誤も伴いながら進んできた。一つだけ取りこぼされてきたのが東京だ」と強調した。

 都民ファーストと共闘する公明党の山口那津男代表は北区で、「議会と知事が足並みをそろえないと都政が前に進まない。議会の側で、その責任を担うのが公明党だ」と支持を呼び掛けた。

 一方、民進党の蓮舫代表は新宿区で、「絶対に加計、森友学園の問題をうやむやに終わらせない」と宣言。共産党の志位和夫委員長は八王子市での演説で首相を酷評し、「都議選が始まって、一回も都民の前で訴えられず、恥ずかしくて顔も出せない。森友、加計疑惑は、国政の私物化が目に余る」と指弾した。

◆逆風を警戒? 首相出番なし

 安倍晋三首相は小池百合子知事が率いる都民ファーストの会を批判し、挙党態勢で自民候補を支援する意向を示していたが、二十三日の都議選告示から一度も応援入りしていない。学校法人「加計学園」問題などを巡る政府対応への批判が、自民候補への逆風となりかねないと警戒するためだ。

 都議選の情勢は国政選挙を先取りする傾向があり、結果次第では政権運営の練り直しも迫られる。

 党都連幹部によると、告示前の十七、十八両日にも首相の応援日程が組まれたが、「共謀罪」法の採決強行などに批判的な世論を考慮し、見送られたという。

 二〇一三年の前回都議選で安倍首相は告示前に二日、告示後三日の計五日間、街頭演説に立った。〇九年は当時の麻生太郎首相が告示前に二週間ほどかけ、立候補予定者の事務所を激励のため訪問した。しかし、告示後は支持率低迷のためか、街頭演説は一回だけだった。  (石川修巳)

 

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