東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 都議選2017 > ニュースの記事一覧 > 記事

ここから本文

都議選2017

「自公連立」象徴区に影 公明、小池氏と連携選択 国政とねじれの北区

候補者の演説を聞く人たち=27日、東京都北区で

写真

 七月二日投開票の東京都議選で、公明党は都政で四十年近く連携してきた自民党とたもとを分かって戦っている。党支持層に人気がある一方、自民と敵対する小池百合子知事との連携を選択した結果だが、国政レベルでの自民との関係に影も。その空気を象徴する選挙区が北区(定数三)だ。 (榊原智康、石原真樹)

 「政治は、実現しなければ何の意味もない」。北区で立候補する公明現職の大松成(おおまつあきら)さん(56)の応援に入った同党前代表の太田昭宏氏は、私立高校授業料の実質無償化など、小池知事との連携の成果を強調した。自民との関係については触れなかった。

 北区が大半を占める衆院東京12区は、自民が候補擁立を見送って太田氏を支援する自公連立政権の象徴区。自公は都政でも、国政より前から連携を深めており、昨夏の都知事選でもともに元総務相の新人を支援した。

 転機は昨年十二月。都議の報酬削減案を巡る行き違いから、公明は「自民との信義が崩れた」と決別を宣言。自民に対決姿勢を示す小池氏との距離を縮め、都議選では小池氏が率いる都民ファーストの会との相互推薦に踏み込んだ。

 その渦中にいた都議会自民党の責任者が、北区選出の現職、高木啓さん(52)だった。二十三日には「決められない知事とのレッテルが貼られるくらい、問題の先送りばかりだ」と小池氏を批判したが、やはり公明への言及はなかった。

 表向きは相手方への言及を避ける自公陣営。しかし北区内の自民支援者からは「次の衆院選は公明を応援できない」との声が出ているなど、国政での連携にも影を落としているという。

 北区は今回から定数が四から三に減る激戦区。公明党支持母体の創価学会員らは自民系の企業や団体を回って支援を呼び掛けるが、関係者は「今回は自民の引き締めが厳しく、断られてしまう」と打ち明ける。

 都民ファーストの現職の音喜多(おときた)駿さん(33)は自民への攻勢を強める。「都政には最大の抵抗勢力が残っている。まったく変わっていないのは都議会自民党だ」

 共産現職で六選を目指す曽根肇さん(65)は「憲法九条は絶対壊させない。安倍政権の暴走を食い止める」と訴え、自公への批判を前面に打ち出す。都議会議長の経験がある民進元職、和田宗春さん(73)は「共謀罪」法の廃止などを訴える。

◆北区(三…5) 

音喜多駿 33 党都議団幹事長 都現<1>  

曽根肇 65 党都議団副団長 共現<5> 由  

和田宗春 73 (元)都議長    民元<3> 由  

高木啓 52 都議会党幹事長 自現<3> 日  

大松成 56 党総支部長   公現<3> 都  

◆減員区は激戦に拍車 北区のほか中野区も

 今回の都議選前に行われた「二増二減」の定数是正が、北区選挙区の激戦に拍車をかけている。北区の定数は四から三に減員。現職四人が出馬しているが、少なくとも必ず一人は落選することになる。

 もう一つの減員対象の中野区選挙区も定数が四から三になり、現新入り乱れた混戦に。現職は、六期目を目指す自民ベテランの川井重勇さん(69)に、四回目の当選を狙う公明の高倉良生さん(60)、三選に臨む民進の西沢圭太さん(37)。

 都民ファーストの会は、小池百合子代表の元秘書の新人荒木千陽さん(35)を擁立。公明と合わせた小池氏の支持勢力で二議席確保を狙う。

 共産党も現職の引退を受けて新人の浦野智美さん(36)を公認した。

 

この記事を印刷する

PR情報