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都議選2017

稲田氏発言自民嘆き節 「間違いない逆風」

 稲田朋美防衛相が東京都議選(七月二日投票)の応援演説で「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」と発言して一夜明けた二十八日、自民候補者のほか、国政で与党の公明党からも嘆き節が相次いだ。加計(かけ)学園問題など、自民にとって、ただでさえ風当たりが厳しい選挙戦。有権者からも苦言が漏れた。 (都議選取材班)

 「森友学園、加計学園の『もりかけ問題』などがようやく沈静化して、盛り返しつつあるところに稲田発言だ…」

 二十八日、二十三区内で街頭演説を終えた自民新人候補は眉をひそめた。他党の新人らと競り合いをしているだけに「発言は十分注意してほしい」と嘆いた。

 「間違いない逆風だ。いつまでも(国政で)与党の自民党があるわけではない」と苦言を呈したのは、小泉進次郎衆院議員。党の看板として各所で応援演説したが、冒頭から反省モードだった。

 都議会では自民と決別したものの、国政で連立政権を組む公明も影響を懸念。都本部幹部は「稲田氏の発言は、敵に塩を送る行為。とんでもないことをしてくれた」と憤慨した。

 有権者も厳しい。「口は災いのもと」と言うのは、千代田区内で候補者演説を聞いていた自民支持者の嶋沢清子さん(82)。「何であんなことを言ったのか」とため息をついた。三鷹市内で民進党候補者の演説に耳を傾けた市内の主婦(71)は「自衛隊を選挙に使うなんておかしい」と語った。

 ◇ 

 稲田氏が二十七日に自民候補者を応援演説した板橋区選挙区は、定数五に十人が立候補する激戦区。自民の現職二人と地域政党「都民ファーストの会」の新人一人は、いずれも自民都連の下村博文会長の元秘書だ。下村氏は二十八日、稲田氏の発言について「誤解を与えるような発言があったことは残念だ。おわび申し上げたい」と陳謝した。

 

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