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都議選2017

<都議選 駆け歩記>

◆何度もポスター直し

 前回の落選から雪辱を期すある候補は、告示前に張れるいわゆる「二連」の政党ポスターを何度も作り直した。最初は、一緒に並んだ衆院議員のスキャンダル記事が週刊誌に出たためにボツ。隣を党首にした二枚目は自らの離党でボツ。三枚目で、新たに公認が得られた別の党の代表とのツーショットに落ち着いた。

 告示前の決起大会では、「離党は選挙のためではなく政策実現のため。党は変わっても私の政策に変わりありません」と訴えていた。四年間の浪人生活と離党で財布は火の車だという。選対幹部は「支援はがきの切手は皆さんのご負担で」と、支持者らにお願いしていた。

 老舗政党の候補が顔をそろえた激戦区で「オセロを一枚一枚裏返すように支持者を増やしていきたい」と言う。告示で張れるようになった個人ポスターは、しっかりと前を見つめていた。 (江戸川区で)

◆集会で憲法前文唱和

 「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し…」

 ある候補は、四十年以上前に初めて立候補したときから、集会の冒頭で参加者と一緒に日本国憲法の前文を唱和している。「地方議員にとっても、地方自治法の上位に憲法がある。唱和は、憲法を自分たちの血や肉にするための儀式」という。

 黙読では駄目で、自分の口から出た声を聞きながら、みんなと声を合わせるのが大事だという。「これをやると、緊張して、闘志が湧いてくる」と気を引き締めていた。

 選挙戦に入っても、習慣は変わらず。駅前での街頭演説で、憲法前文が響き渡っていた。 (北区で)

◆かすれ声で逆風向かう

 ある党の多摩地域の候補者全員がホテルに集まって会合が開かれた。一人一人が朗々と決意表明していく中、ある候補者だけが、がさがさのかすれ声であいさつ。「(街頭演説を)やりすぎました」と笑いを誘った。

 声を張り上げ続けた結果、「週末の暑さでやられました」と苦笑。それだけ力を入れても逆風を感じていると話すものの、「向かい風がないと飛行機は高く飛ぶことができない。さらなる高みを目指す」ときれいに話をまとめた。 (立川市で)

◆プライベートも充実を

 畑のアスパラガスを笑顔で収穫したり、子どもの世話をしたり。候補者たちの普段の姿を知ってもらおうと、公開討論会でプライベート写真が披露された。

 ある候補者は「ほとんど私服を着ることがないので悩んだ」と、駅伝で走る後ろ姿の写真を用意した。この後、さいころを転がして出た質問「東京で一番のデートスポットは」に対しては、「板橋。歩道橋の上から見る夕日がきれい。デートする余裕がなくて、どこに行くかではなく、誰といるか…」と回答した。

 多忙ぶりがうかがえる答えに、討論会の進行役は「ワーク・ライフ・バランスが大事。プライベートも充実してもらえれば」と助言していた。 (板橋区で)

 

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