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都議選2017

激戦・江東区 豊洲・築地の「併存」に期待と反発

豊洲市場青果南門の看板と豊洲の高層マンション=29日、東京都江東区で

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 七月二日投開票の東京都議選で、築地市場(中央区)の移転先・豊洲市場のある江東区は、定数四を九人が争う激戦となっている。告示直前に小池百合子知事が示した「豊洲移転、築地再開発」の両市場併存の基本方針を巡り、舌戦が繰り広げられている。

 「市場問題は関心を持って見ている。移転でこのあたりも活性化してもらわないと」

 移転延期で、固く門が閉ざされたままの豊洲市場。約三百メートルの距離にある高層マンションに昨年、引っ越してきた男性会社員(64)はこう期待する。

 臨海部を中心に大規模マンション建設が続く江東区は、二年前に人口が五十万人を突破。中でも豊洲は、十年前の約二・五倍の約三万六千人が暮らす。

 豊洲町会の小安勤会長(69)も「一日も早く開場してほしい、というのが地域の思い」と強調する。市場移転については、都との協議の場である区議会特別委員会が二〇一一年、土壌汚染対策や新市場と一体のにぎわい施設の整備など、三つを都に求めた上で了承した経緯がある。

 これを踏まえ、小安さんは「知事は会見で築地、築地と言って、豊洲は物流センターを強調した。にぎわい施設のことに触れなかったのが不安」と先行きを懸念する。

 選挙戦でも、基本方針を巡る主張の違いが際立つ。自民現職の山崎一輝(いっき)さん(44)は「築地にも豊洲にもいい顔をしているだけ。江東区との約束はどこに行ってしまったのか」と批判する。自民新人の高橋恵海(めぐみ)さん(48)も「築地と豊洲の両方を使うと言うが、根拠はあいまい。八方美人の政治は、将来につけを回すだけだ」と反発する。

 一方、小池知事が率いる都民ファースト新人の白戸太朗さん(50)は、街頭演説で市場問題に触れるとは限らないが「基本方針にどう肉付けするか、これからの議論が大事」と主張。

 公明新人の細田勇さん(56)は、基本方針を評価した上で「築地市場の再開発は財源など検討が必要。議論を重ね、スピード感を持って解決すべきだ」とする。

 移転反対を掲げる共産現職の畔上三和子さん(61)は「食の安全と築地ブランドを守る。無害化の約束が守れない以上、移転は再検討を求めたい」と訴える。

 民進元職の大沢昇さん(52)は「もっとスピードアップすべきだった。今後は広く情報公開しながら理解してもらうことが大切だ」と話す。 (北爪三記)

■江東区(四…9) 

白戸太朗 50 スポーツ案内人    都新   

高橋恵海 48 (元)江東区議    自新 日   

細田勇 56 (元)江東区議     公新 都   

山崎一輝 44 都議会党役員     自現<2> 日  

柿沢幸絵 47 (元)松下政経塾生  無現<3> 都 

大沢昇 52 会社役員        民元<3>  

古賀美子 48 イベント会社顧問   無新   

畔上三和子 61 (元)江東区議   共現<2>  

表奈就子 33 幸福実現党役員    諸新   

 

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