東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 都議選2017 > ニュースの記事一覧 > 記事

ここから本文

都議選2017

市場どうなる? 都議選から一夜 築地関係者に期待と不安

東京都議選から一夜明け、いつも通りのにぎわいを見せる築地場外市場=3日、東京都中央区で

写真

 東京都の小池百合子知事を支援する勢力が過半数を占めた都議選から一夜明けた三日、小池知事が豊洲市場(江東区)との併存の方針を示した築地市場(中央区)の関係者からは、期待と不安の声が聞かれた。都職員からは、自民党の歴史的大敗の結果に「議会とのやりとりが大変になるかも」などの声が漏れた。 (小林由比、望月衣塑子、唐沢裕亮)

 築地市場内で仕入れた商品のパック詰め作業に追われていた水産仲卸業「吉善」の吉橋恒雄代表(73)は、「この場所でやり続けられるのがベスト。築地再整備を掲げる共産党が一定数を確保できたことで、自分たちの意見を代弁してもらえる場は確保できたのでは」と話した。

 豊洲への移転に反対している水産仲卸業「大米」の星野茂則代表(69)は「市場移転問題で都議選への期待は何もなかった」と突き放し、「今回は、加計(かけ)学園問題など安倍政権への国民の怒りが爆発した選挙だった」と振り返った。

 移転反対派の中には、小池知事の「併存案」に期待する声も。

 水産仲卸業・山崎康弘さんは「選挙前に知事が打ち出した『築地に戻ってくる』という案が支持された結果だ」と評価。「選挙前には半信半疑の部分もあったし、知事もまだ言えないことも多かったと思う。これで議論を前に進められる。本気で都民のためになる安全な市場にすることを考えていってほしい」と期待した。

 一方、移転を推進してきた築地東京青果物商業協同組合の泉未紀夫理事長は「選挙前に小池知事が一つの結論を出している。先頭に立ってやると言っている以上、具体的に課題を解決するプログラムを示してほしい。その中で、都民ファーストの都議が、何をやっていくのかは分からないので、今後を見ていくしかない」と冷静に受け止めた。

 伊藤裕康・築地市場協会会長は「知事は、安全対策を追加した上で豊洲移転することを既に決めている。築地再整備の話はまだアイデアの段階であり、長い時間がかかるものだ。当座は豊洲の開場日をいつにするかが焦点。業界と都が一体となってまっしぐらに進めたい」と話した。

 

この記事を印刷する

PR情報