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都議選2017

小池氏、「都民」代表退き「知事専念」 「二元代表制」を意識

都議選から一夜明け、笑顔で取材に応じる東京都の小池百合子知事=3日午前、東京都新宿区で(市川和宏撮影)

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 東京都議選の投開票日から一夜明けた三日朝、第一党になった地域政党「都民ファーストの会」代表の小池百合子知事は都内で記者会見を開き、同日付で代表を退き、知事職に専念する意向を表明した。自治体の首長と議会が別々に直接選挙で選ばれる「二元代表制」を意識した形だが、都議会が小池都政をチェックできるかは不透明だ。 (木原育子、柚木まり)

 小池氏は会見で「二元代表制などで皆さんの懸念もある。知事に専念する形で代表は野田に戻したい」と述べ、後任には「都民」幹事長で都特別秘書の野田数(かずさ)氏が就任することを明らかにした。「都民」の規約では、顧問を置くことができるが、小池氏が就任するかどうかは「また考えます」と明言を避けた。

 都知事が政党の代表となって都議選に臨み、第一党になり、支持勢力を含めて過半数を占めるのは都政で初めてだ。選挙中、自民からは「都議会が知事のイエスマンばかりになる」と批判が出ていた。これに対し、小池氏は「これまでの都議会にどれだけのチェック機能があったのか」と反論していた。

 小池氏は代表に就任する前から「知事と議会が同じ方向を向いて改革を」などと主張しており、「都民」の候補者選考にもかかわっている。こうした議員たちが、都政をどこまで厳しくチェックできるかは不透明だ。

注 都民ファーストの会は、無所属で当選後、追加公認した6人を含む

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 小池氏は昨年夏の知事選出馬時、自民に進退伺を提出。今年六月一日に自民に離党届を提出し、「都民」の代表に就任。「『都民』の顔」として選挙戦を引っ張ってきた。だが、離党届の扱いは宙に浮いたままになっている。

 会見で小池氏はこのほか「議会から都の条例案をボンボン出してもらいたい」と説明。追加公認六人を含む「都民」の当選者五十五人のうち、三十九人が新人のため、議会経験者を党の重要ポストに据える方針を示した。

<二元代表制> 国の議院内閣制と異なり、首長と議会がそれぞれ住民の直接選挙で選ばれる地方自治体の仕組み。憲法93条で「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」と定める。首長と議会が緊張関係を保って、住民の意思を行政に反映させることが期待されている。

 

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